(仮訳)新規分類群、P. polydactylon subsp. udegheおよびP. senecaの認識によるPeltigera polydactylon種複合体の解明
Magain, N. et al., 2016. Disentangling the Peltigera polydactylon species complex by recognizing two new taxa, P. polydactylon subsp. udeghe and P. seneca. Herzogia. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.13158/heia.29.2.2016.514 [Accessed March 30, 2017].
【R3-03885】2017/03/30投稿

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3行まとめ

Peltigera polydactylon種複合体の形態学的検討および分子系統解析を実施し、新種P. senecaおよび新亜種P. polydactylon subsp. udegheを記載した。
狭義のP. polydactylonが複数の大陸にまたがる広範な分布を示したのに対し、P. senecaは北米東部に分布域が限られていた。
P. polydactylonの2亜種も地理的隔離を示し、分子系統解析でそれぞれ単系統群を形成した。
USA, Pennsylvania, Tioga Co., Tioga State Forest, Colton Road, c. 5 mi S of junction with US 6, c. 0.5 mi E of junction of Colton Road/Painter Leetonia Road

(新種)

Peltigera seneca Magain, Miadl. & Sérus.
語源…先住民のセネカ族に因んだ命名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Peltigera polydactylon(モミジツメゴケ)
フィリディアを欠くか稀
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米東部に分布域が限られるのではなくヨーロッパ、中東、北アジア中央部などに分布する
本種より地衣体のサイズが大きい
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Peltigera polydactylon subsp. udeghe
北米東部(米国・カナダ)に分布する
地衣成分が類似している
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
本種と異なり北米東部に分布域が限られるのではなくオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国、ロシアに分布する
本種より地衣体のサイズが大きい
本種より裂片の幅が広い
本種と異なり地衣体下面に淡色で幅広い縁部の領域を有するという特徴を欠く
本種と異なり地衣体にほとんどの場合フィリディアを有する
本種と異なり薄層クロマトグラフィーで未同定のテルペノイドが検出されるという特徴を欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(少なくとも計13塩基の点変異)
Russia, Khabarovsk Territory, Durminskoye forest-hunting area, ca. 200 km SSE of Khabarovsk, North of Durmin Mt., Rovnyi Creek valley, adjacent to foothills of the Sikhote-Alin’ Range Mountains

(新亜種)

Peltigera polydactylon subsp. udeghe Magain, Miadl. & Sérus.
語源…先住民のウデヘ人に因んだ命名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Peltigera polydactylon(モミジツメゴケ)
地衣成分が類似している
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で近縁
本亜種と異なりオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国、ロシアではなくヨーロッパ、中東、北アジア中央部などに分布する
本亜種より地衣体のサイズが比較的小さい
本亜種と異なり地衣体にほとんどの場合フィリディアを有するという特徴を欠く
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Peltigera seneca
北米東部(米国・カナダ)に分布する
地衣成分が類似している
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
本亜種と異なりオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国、ロシアに分布するのではなく北米東部に分布域が限られる
本亜種より地衣体のサイズが小さい
本亜種より裂片の幅が狭い
本亜種と異なり地衣体下面に淡色で幅広い縁部の領域を有する
本亜種と異なり地衣体にほとんどの場合フィリディアを有するという特徴を欠く
本亜種と異なり薄層クロマトグラフィーで未同定のテルペノイドが検出される
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSとnrLSUに少なくとも計13塩基の点変異)
Peltigera pacifica
北米に分布する
形態的に類似している(誤同定のおそれがある)
地衣体上面が無毛
フィリディアを有することがある

(その他掲載種)

Peltigera polydactylon (Neck.) Hoffm.
モミジツメゴケ
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【よく似た種との区別】
Peltigera polydactylon subsp. udeghe
地衣成分が類似している
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパ、中東、北アジア中央部などではなくオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国、ロシアに分布する
本種より地衣体のサイズが比較的大きい
本種と異なり地衣体にほとんどの場合フィリディアを有する
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Peltigera seneca
フィリディアを欠くか稀
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパ、中東、北アジア中央部などに分布するのではなく北米東部に分布域が限られる
本種より地衣体のサイズが小さい
ITS+nrLSU+β-チューブリン+RPB1+COR1b+COR3+COR16に基づく分子系統解析で明瞭に区別される